燃料タンク&燃料供給システム(SMART FUEL CONTROL SYSTEMS)

燃料タンクは、Calibr35LRC、40LRC、47LRCの全シリーズに同じ製法で作製設置されています。

燃料タンクの作製設置

燃料タンクは、船体の船底部分に、船体とは別の、表面をコーティングしたFRP素材で作製されています。

利点
  1. 船体中央に置くことによる重量集中により、ピッチングやローリングのモーメントを軽減できる。また、オーバーヒールしたときの復元力増大へ寄与することができる。
  2. 船体中央に箱型の造形物を置くことにより、船体のたわみに対する強度を増すことができる。
  3. 燃料タンクをアルミやステンレスで作製すると、溶接部分が経年変化で劣化し、燃料漏れを起こす恐れがあるが、FRPではその心配が無い。米国では清水も燃料も、この方法がスタンダードで、コーストガード推奨になっている。
  4. 燃料タンク上部に、点検窓を設置し、タンク内の点検が容易になる。
船底部燃料タンク
Integral Strength-Grid SystemTM
Integral Strength-Grid System

Water-tight Collision Bulkhead heavily glassed in place bonded to the hull and the structural dividers forward of it. This creates an extremely strong matrix structure.

Integral tanks, lids, and baffles add tremendous strength to the sub-sole structure to help spread loads evenly over hull. Because the lids will be heavily bonded in place, any surface are of the tanks, will act to form a double-bottom.

Structural sub-sole will be laminated around it's entire perimeter adding a complete bonding between grid structure and hull. Bonding all structures together. Keel, engine, and primary sea loads will be spread evenly over entire bottom surface area.

Stringers are heavily glassed into position with extra heavy laminates and resins. Entire grid structure acts as a single strong unit.

燃料タンク点検窓
Tank Inspection Plates

燃料供給システム(SMART FUEL CONTROL SYSTEMS)

  1. 独立した燃料タンク
    燃料タンクは、35LRC、40LRCは左右に独立して2個。47LRCは3個。
    燃料供給ラインやフィルターもそれぞれが独立した回路になっており、万一、片方のタンクに不純物 や水分が混入しても、他のタンクがバックアップとして使える。
  2. 集中したメインテナンス用パネル
    写真のように、ひとつのパネルに供給ラインが一緒に設置されている。
    これにより、燃料系統の点検やメインテナンスが容易にできる。
    それにプラスして、長期航海ヨットにとって欠かせない、下記のような様々なバックアップ機能も付 随している。
  3. 3通りに使える大型RACOR油水分離機&フィルター
    大型エンジンのボートと同じRACORの油水分離機&フィルター(中央に2個)は、それぞれのタンク に付属しているだけではなく、バルブの開閉操作により、左右交互にあるいは両方にと、3通りに使 い分けができるシステムになっている。
  4. 優れもの電動燃料ポンプ
    燃料供給システムパネル、写真右側にある黒いもの。
    これは電気式の燃料ポンプだ。
    目的1.はエンジン本体の燃料噴射ポンプが不調になった場合、それのバックアップとして、燃料噴射 ポンプ不調のエンジンをも運転することができる。
    目的2.は、上記RACORの油水分離機やエンジン本体の燃料フィルターを交換した場合、このポンプ を使い燃料系統のエアー抜きが容易にできる。
    目的3.はすごい!
    燃料タンクの軽油には長期間使用しないままでいると、軽油に発生するバクテリアや不純物により、 タンク内の燃料が劣化してくる。
    このことはエンジン本体の燃料系統のトラブルにつながる可能性が高い。
    このような事態に対しても、キャリバーヨットにはバックアップ機能がついている。
    エンジン停止中でも、上記の燃料ポンプのスイッチを入れると、特殊なフィルター を経由して燃料が循環し、古くなり劣化した軽油から不純物を除去してくれる。
  5. 燃料供給圧力ゲージ
    燃料供給システムのパネル、左上にあるゲージが燃料系統の圧力計だ。
    この圧力が下がると、エンジン本体の不調の原因にもなる。
    また、この圧力計を見て、RACORのフィルターの交換時期を判断することになる。
このような様々なトラブルを想定した、バックアップ機能付の燃料供給システムのことを、キャリバ ーヨットではSMART FUEL CONTROL SYSTEMS と呼んでいる。
安全に関して、万全と言うことは無い、を合言葉に、キャリバーヨットは日々、進化し、必要と思わ れる部品は、コストアップにもかかわらず、標準艤装品とするよう努力している。
 燃料供給システムパネル
燃料供給システムパネル
燃料供給システム
Dual Diesel Fuel System
燃料供給システム