舵周り

近年のクルージングヨットは、スケグの無いバランスドラダーが多い。
この方式の優れているところは、舵利きが良く、小回りがきくというところ。
逆に欠点は舵利きが良すぎ、ステアリングから手を離すと、すぐに回頭してしまうこと。
もう1点、長期に渡る航海をしていると、ラダーシャフトやラダーポストに相当な負荷がかかり、蓄積疲労によるトラブルの可能性が高い。

そこで、キャリバーヨットはフルサイズのスケグ付ラダー(舵)を選択。
理由は安全性と耐久性。
長期航海によるラダーシャフト周りの蓄積疲労の軽減。そして保針性の向上。
保針性の向上は、オートパイロットやウィンドベーンの故障リスクの軽減にもなる。
1年間の長距離航海の走行距離は、デイセイリングでの数年分以上にも匹敵する。
バランスドラダーのヨットが舵周り(特にラダーシャフト付近)にトラブルを起こすケースは珍しくない。

キャリバーヨットの舵周り(Triple-Support Rudder System)です。
ラダーシャフトは長距離航海の蓄積疲労に耐え得るよう、3点でサポートされており、一番上部は念入りにベアリング入り金物を金属のH型フレームの上に固定している。

Triple-Support Rudder SystemTM
舵周り
Precision Anti-Friction Bearing
Extra Heavy Duty Solid Bronze Rudder Port
Solid Stainless Steel Rudder Shoe

優れているのは金物だけではない。
スケグも特別。
航行中、流木や浮遊物が衝突し破損した場合に備え、特別強化の積層を施すだけでなく、キールと同様、スケグ上部船体側にフタを積層し、万一スケグが破損しても、船内への海水の浸入を防ぐことができる。
また、蓄積疲労によるラダーシャフトのスタッフィングボックスからの浸水、長期の航海ではこれまた珍しくないトラブルに備え、流入した海水がキャビン内まで流れ込まないよう、ダム(堰止め)を設置している。
キャリバーヨットは、このように安全性に寄与する手間は惜しまない。
安全に関して、万全と言うことはない。
キャリバーヨットの重要なテーマでもある。

Watertight Rudder Dam
スケグ