キャリバー・ヨットは、最近の軽排水量型クルージングヨットと比較し、少し重めの中排水量型です。
船型は細身で中央断面は、ワイングラスのような形をしています。
昨今の軽排水量型ヨットは、全長のわりに横幅を大きく取る、横に広がった箱のような船型をしています。
これは船型によって復元力を保持する(フォームスタビリティ)ためです。
船型にスタビリティがある分、キールを軽く、相対的にヨット全体の重量を少なくできますし、キャビンも広く取ることができます。
このような軽排水量型は初期ヒールも少なく、当然軽風でのセーリングも早いのですが、一定限度以上に傾くと、急激にその復元力をなくしてしまうという、荒天下での帆走を考えた場合、致命的な欠点もあります。
キャリバー・ヨットのように中央断面がワイングラス型の船型は、初期ヒールは早いものの、ある一定限度以上傾いても、その復元力を失うことなく、荒れた海でも、信じられない程の粘り腰復元力を発揮します。その上クローズホールドでの波の当たりは柔らかく、ラフな海況でのセーリングでも、優しい帆走をしてくれます。
また、細く長め船型、縦方向に長いキール形状、フルサイズのスケグの組み合わせは、保針性能が素晴らしく、オートパイロットやウィンドベーンの負担を軽減してくれます。
船体は適正な温度管理の下、強度のあるガラス繊維を使用し、人の手で1枚1枚丁寧に積層されてゆきます。
後述しますが、バウ船底部分、キール前部は、水中漂流物との衝突にも耐えられるよう、積層枚数も多くし、特別強化の積層を施しています。
また、座礁などの大きなダメージに備え、キールと船体は一体型で積層作製。
スケグと舵も含め、万一大きな損傷を受けても、船内に浸水することがないような構造になっています。
*標準航続距離は、約70%のエンジン出力で算出しています。
エンジンの燃料消費量は回転数や船底の汚れ、また海況によっても異なります。
上記数値は、この距離を保障するものではありません。