Caliber社は、セイリングの大好きなマイクとジョージ・マクラリーの2人の兄弟によって、1979年創設されました。場所は米国フロリダ州のタンパ湾近郊。
ちなみにマクラリー兄弟は、彼らの母親が日本人で、日本の血を引く日系人でもあります。
彼等の物造りに対する真摯な姿勢は、ひょっとしたらそれが理由の一つかもしれません。
マイク・マクラリーはミシガン大学の船舶工学科を卒業しており、Caliber社のヨットはすべて彼の設計で建造されています。
キャリバー・ヨットのコンセプトは、安全、強靭、快適。
そして、荒天でも充分な耐久性(sea worthiness)を持っていることです。
時として、自然は過酷な試練を与えます。
ベタなぎの午前中から、20ノット30ノットの時化の午後になることは珍しくなく、日帰りのデイセイリングでも海に要求されるものは、安全性、強靭性、耐久性、そして快適性です。
キャリバー社のヨットは、建造当初から基本の設計は変わりませんが「安全にそして快適に」を求め、日々進化しています。
この造船所で建造されるヨットは、キャリバー・ヨットの特徴で詳しく述べていますが、設計の段階から、太平洋横断など長距離を安全に航海することを目的に建造された、世界でもめずらしいプロダクションヨットです。
艇種は35LRC、40LRC、47LRCの3種類のみ。
LRCとはlong range cruiser(長距離航海クルーザー)の略称です。
年間建造艇数は最大数十隻。
大量生産が当たり前の米国のマリン業界の中では、とても小さな造船所です。
お客様から、生産量を増やし、納期を早くして欲しいとの根強いリクエストがあるのですが、数を増やすことのデメリット、品質の低下を恐れ、マクラリー兄弟は建造隻数を増やすという選択肢は取らず、30年経った今でも、創業当時の精神を維持し、1艇ずつ丁寧に造り上げて行きます。