コート・ダジュール&メガヨット群

イタリアとの国境の町マントンに始まり、モナコ、ニース、カンヌ、アンティーブ、サントロペへと続く地中海沿岸は、コート・ダジュールと呼ばれ、フランスだけではなく世界中からお金持ちが集まるリゾート地だ。 ニース空港に到着し、そこからはレンタカーで、モナコ、サンマキシム、サントロペ、カンヌへと、地中海を眺めながらレンタカーで移動。 一番度肝を抜かれたのはメガヨットの数々だ。
小さいサイズでも100フィート(33フィートではなく33メートル!)大きいものでは300フィート、とてもこの世のものとは思えないような大型の、文字通りヨット(豪華な遊びの船)!!の集団が、コート・ダジュールのいたるところ群れている。
人気の観光地サントロペも、昼間の港内、ビジター用岸壁は閑散としている。 しかし夕方になると、昼間のクルージングを終えた巨大なヨットボート達が続々と入港し、バウからアンカーを落とし、スターンを岸壁にもやう。
その様子はサントロペの風物詩にもなり、大勢の観光客の目を楽しませてくれる。
ちなみに、港内に係船する時は要予約で、係船料金はその船が占有する面積によるそうだ。
我々の眼を楽しませてくれるのは、ピカピカに磨き上げられた船体だけでなく、10人前後乗組んでいるクルー達。 船体の色やデザインにもコーデネートされた小粋な制服を着用し、日中はきびきびと働き、夕方は後部デッキでリラックスして、たぶんワインかシャンパンを飲んでいる。
これ等メガヨット群の大半は、オーナーの国籍はさまざまだが、大型の本船と同様、税金の安いカリブ海の国々の船籍となっている。 このようなメガヨットの船価は、安いもので数億円、高いものは数十億以上。
松島氏に同行し、中古の60フィートボート、船価2億円(現実味の無い金額だから簡単に言える)の売り物を見に行ったのだが、この売主は300フィートくらいのメガヨットが母船。 足舟(テンダー)!代わりにこの60Fボートを、船長はじめクルー付で使用している。 港の沖に浮かぶ、その母船を見たら、バウに止まっているヘリコプターがトンボのように見えた。 ちなみにオーナーはロシアのミリオネイヤーだそうだ。
もうひとつおまけ。 案内してくれた営業マンは、上記母船になるようなメガヨットの売買が専門らしく、2億円のボートの商談なのに、足舟の営業にはまったく力が入っていなかった。

港に係留されている普通の人が楽しむ小船(ヨットボート)も、コート・ダジュールでは、ボートが中心で、セイルの付いた帆走舟は3割ほどしかいない。
街中を歩いても、日本のバブル期のような浮かれた印象で、自分にとってはあまり落ち着ける場所ではない。 たぶん、相性がよくないのだと思う。 将来は、美味しいシャンパンとワインを飲みながら、このあたりをクルージングするのが夢だったのだが、コート・ダジュールを素通りして、ギリシャ方面まで行ったほうが楽しいかもしれないな、と考えてしまった。